乳がんについてのQ&A集

Q:乳がんってどんな病気ですか?
A:乳房のミルクをつくるところ、つまり乳腺にできる悪性の腫瘍です。
放っておくと悪化し、他の内臓などに転移することもあります。

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Q:乳がんの症状って?
A:乳房のしこり=乳がん発見のきっかけの大半が、しこりです。しかし、しこりのすべてが乳がんというわけではありません。
乳房の皮膚のくぼみ=乳がんが乳房の皮膚の近くに達すると、えくぼのようなくぼみができます。
乳房近くのリンパ節のはれ=わきの下や胸骨のそばのリンパ節などに転移が起こりやすくなり、リンパ液がせき止められて腕がむくんだり、しびれたりします。

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Q:乳がんの原因って?
A:女性ホルモンのバランスの乱れ、といわれています。
今の日本の女性は昔に比べ、女性ホルモン(エストロゲン)の影響を受ける期間が長くなっています。少子化や高年齢出産の増加、初潮年齢の早まりや閉経が遅くなっていることなどが関係しています。また、高カロリーで脂肪の多い食生活も影響していると考えられています。

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Q:乳がんにかかりやすい人や年齢は?
A:乳がんは、どんな人でもなる可能性があります。しかし、次のような条件の人が乳がんになる危険が高いといわれています。
  1. 家族(祖母、母、姉妹)が乳がんにかかったことがある
  2. 本人が乳がんその他の乳腺疾患になったことがある
  3. 高齢初産(30歳以上)か、出産歴がない
  4. 初潮が早く(11歳以下)、閉経が遅い(55歳以上)
  5. 閉経後の肥満
  6. 長期間(10年以上)のホルモン補充療法(更年期障害の治療)を受けている
患者の数は、30歳代で増加し始め、40から50歳代でピークとなり、その後減りますが、70〜80歳代にも起こる病気です。

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Q:年間何人の方が乳がんで亡くなっているの?
A:年間1万人以上の方が乳がんで亡くなっています。
日本でも乳がんは増加の一途をたどっており、女性では大腸がん、胃がん、肺がんに次いで4番目に死亡数が多いがんとなっています。
(1)死亡者数
06年に乳がんで亡くなった女性は11,175人です。05年10,721人、04年10,524人、03年9,806人、02年9,604人、01年 9,654人でした。時にでこぼこはありますが、年々増えています。女性の壮年層(30から64歳)のがん死亡原因の第1位となっています。
参考1<日本人女性がん死亡数=06年の統計 死亡者総数131,214人>
  • 第1位 大腸がん 18,653人
  • 第2位 胃がん 17,670人
  • 第3位 肺がん 17,307人
  • 第4位 乳がん 11,175人
  • 第5位 肝臓がん 11,086人
(2)患者数
99年36,139人、98年33,676人、97年32,347人が乳がんになったと推計されています。この数字も年々増えています。
患者数の推計では、20歳台を過ぎたあたりから急に増え始め、45〜49歳のピークまでうなぎのぼりです。50歳代あたりから少し減りはじめます。他の主ながんはピークがもう少し後の60歳代以降にありますが、乳がんは早い年代にあるのが特徴です。
参考2<日本人女性がかかりやすいがん=99年の推計 総計224,996人>
  • 第1位 大腸がん 38,939人
  • 第2位 乳がん 36,139人
  • 第3位 胃がん 34,058人
  • 第4位 子宮がん 18,364人
  • 第5位 肺がん 18,226人

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Q:発症率は?
A:日本女性は20人に1人が乳がんに
(以下の計算と解釈は、独立行政法人放射線医学総合研究所名誉研究員の飯沼武・工学博士のご教示によります。飯沼先生は乳がん以外のがんについてもご自身のブログで罹患リスクを公表しておられます)
1999年のがん罹患数・率の推計に基づいて計算した日本人女性の年齢層別乳がん罹患リスクは次の通りです。米国人女性に関する数字は、米国対がん協会編の「Facts & Figure 2000」によるものです。
  • 年齢層
  • 0-39歳
  • 40-59歳
  • 60-79歳
  • 生涯(0−89歳)
  • 日本人女性の罹患リスク
  • 301人に1人
  • 49人に1人
  • 54人に1人
  • 20人に1人
  • 米国人女性の罹患リスク
  • 235人に1人
  • 25人に1人
  • 15人に1人
  • 8人に1人
  • 相対リスク(米国/日本)
  • 0.78
  • 0.51
  • 0.28
  • 0.40
上の表は、
  1. 日本人女性が乳がんになるリスクは20人に1人、米国人女性は8人に1人であることを示しています。日本人女性は米国女性に比べれば、全体としては乳がんになるリスクは低いことを示しています。
  2. 年齢層別の日米の相対リスクを見ると、若い世代ほど相対リスクが高くなっています。これは日本人女性の乳がん罹患が若い層に偏っており、米国とはパターンが異なっていることを示しています。
  3. 日米の罹患パターンの違いは、米国人女性が年齢とともにリスクが上がっていくのに対し、日本人女性は40−59歳が最も高くて49人に1人となっていることにも現れています。

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Q:どんな乳がん検査があるの?
A: 乳がんの検査には、大きく分けて以下の3つがあり、診断を組合わせて、乳がんを診断します。
(1)視触診
これは文字通り、乳がんやリンパ節を見たり触ったりして「しこり」を発見する診断方法です。
乳がんの初期段階では、他のがんに見られる疲労感や食欲不振による体重の減少などの症状がほとんどないという特徴があります。ですから、専門家による触診はもちろん、自己検診が早期発見には重要です。
(2)画像診断
視触診で発見しにくい、小さな腫瘍やがん細胞を発見するのに有効な診断方法です。代表的な診断として
「超音波検査(エコー検査)」
乳房に周波数の高い超音波を送波する機械を当て、乳房内部から返ってくる音波の変化をコンピューターで画像に変化させて、その断面図を見るものです。
検査自体も容易で全く痛みもなく、検査費用も比較的安価であるという利点がありますが検査結果にばらつきがあるという問題点もあります。
「マンモグラフィー検査」
乳腺・乳房専用のレントゲン撮影で、乳房を挟みながら圧迫して、上下方向から1枚、左右方向から1枚(合計2枚・両 方の乳房を撮影する場合は合計4枚)撮影します。
触っても判らないような早期の小さな乳がんは勿論、しこりを作らない乳がんを白い影(腫瘤影)や非常に細かい石灰砂の影(微細石灰化)として見つけることができます。
超音波検査と比較して、2〜3倍の乳がん発見率がある有効な検査方法です。
(3)細胞診・組織診
細胞診(穿刺細胞診)は、細い注射針をしこり(腫瘍)に刺し、中の細胞を取り出し顕微鏡で見る検査です。
腫瘍には悪性と良性がありますから、しこりがあっても良性腫瘍ならがんではありません。
また、乳首からでる分泌液も細胞診を行います。
細胞診ではっきり診断がつかない場合は、しこりの周囲に麻酔をかけ、メスで一部または全部を切除して組織診を行います。最近では「針組織診」という、特殊な機械と少し太めの針を使った組織診も普及し始めています。メスでの切除に比較して安全性が高く、短時間でしかもキズがほとんど残りません。

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Q:マンモグラフィ検査って?
A:乳房専用のエックス線装置による検査です。
視触診ではわからないごく早期の小さながんを見つけることができます。乳房を片方ずつ、プラスチックの板ではさんで圧迫し、乳房を平らにして撮影します。
圧迫は、乳房を薄くすることで内部の様子を鮮明に写すためと、放射線の被ばく線量を少なくするために、どうしても必要です。
マンモグラフィで見つかるがんの70%以上は早期がんで、早期がんなら乳房の形を残す乳房温存手術を受けることもできます。
マンモグラフィは、胸の大きい小さいにかかわらず受診できます。

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Q:どんな病院で診療していますか?
A:「乳がんの治療は婦人科」と思う人が多いのですが、普通は外科が担当します。乳がんに詳しい外科医や、乳腺外科、乳腺内科、乳腺内分泌科などの表示のある病院へ行きましょう。

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Q:乳がんは完治が望めないって本当ですか?
A:手術後10年間が1つの目安です
もちろん早期発見されたり、適切な治療を施すことによって、完治される方もたくさんおられますので、すべて完治が不可能というわけではありませんが、乳がんの場合、術後10年間は安全確認のための期間と考えられています。ただし、10年以上経過した後に再発する例もあるので、100%安心できるわけではなく、「完治した」と断言することが難しいケースが少なくないことも事実です。
しかし、万が一再発した場合でも、乳がんにはいろいろな治療法があるので、手術後も定期的に検診を続け、早期に再発を発見し、適切な治療を行えるように心がけることが大切になります。

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